NIPTに関する記事
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パトウ症候群
パトウ症候群とは?
パトウ症候群とは、13番目の染色体が通常より多いこと(トリソミー)によって起こる染色体異常の一つです。
この病気は、正式には「13トリソミー」とも呼ばれ、赤ちゃんの体や発達にさまざまな影響を与えることがあります。今回は、パトウ症候群の原因や特徴、検査の重要性について詳しくお伝えします。
パトウ症候群の原因
パトウ症候群は、染色体異常によって発生します。
具体的には、赤ちゃんの13番目の染色体が通常2本であるべきところ、3本存在する状態です。この染色体異常が起こるメカニズムについては完全には解明されていませんが、卵子や精子が形成される際の偶発的なエラーが原因とされています。
パトウ症候群の特徴
パトウ症候群の赤ちゃんには、さまざまな身体的・発達的な特徴が見られることがあります。ただし、特徴の現れ方には個人差があります。
主な症状
- 小頭症や前頭部の狭さ
- 口唇裂(唇の一部が裂けている状態)
- 多指症(指や足の指が通常より多い)
- 心臓の先天性異常
- 腎臓や消化器官の異常
また、発育が遅れることや、視覚・聴覚の障害がみられることもあります。これらの特徴がすべての赤ちゃんに当てはまるわけではありませんが、複数の症状が同時に見られることが一般的です。
NIPTでのパトウ症候群の検査
NIPT(新型出生前診断)は、妊娠10週以降に母体の血液を採取して行う非侵襲的な検査です。この検査では、胎児のDNA断片を調べ、染色体異常の可能性を評価します。
パトウ症候群はこの検査の対象の一つで、早期にリスクを知ることができます。
NIPTのメリット
- 安全性:母体の血液を採取するだけなので、流産などのリスクがありません。
- 早期発見:妊娠10週から検査が可能で、早い段階での対応ができます。
- 高精度:染色体異常を高い確率で検出できます。
もしNIPTでパトウ症候群のリスクが高いと判定された場合は、確定診断のために羊水検査や絨毛検査を行うことをおすすめします。
私たち銀座三越前クリニックでは、妊娠中の不安や悩みに寄り添いながら、専門的な検査とサポートを提供しています。
NIPT検査では、妊婦さん一人ひとりに適した説明とカウンセリングを行い、安心して検査を受けていただける環境を整えています。
パトウ症候群は、早期にリスクを知り、適切な対応を取ることが大切です。当院では、ママと赤ちゃんの未来を守るために、最新の検査ときめ細やかなサポートを提供しています。
"ママに寄り添える医療"をモットーにしていますので、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さまのご来院を心よりお待ちしております!
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ダウン症
ダウン症(21トリソミー)とは
妊娠を考える女性や、すでに妊娠中のプレママにとって「ダウン症」という言葉は、一度は耳にしたことがあるかもしれません。ダウン症は、正式には「21トリソミー」と呼ばれ、21番目の染色体が1本多く、合計で3本あることによって起こる遺伝子疾患です。
一般的には、新生児約700~800人に1人の割合で生まれるとされています。
この数値からも分かるように、決して「珍しい」状態ではなく、多くの家族が抱える可能性がある現実の一つと言えます。
なぜ21トリソミーが起こるのか
私たちの体は46本の染色体を基本としており、父親由来の23本、母親由来の23本、合計46本がペアをなして身体を構成するための設計図となります。
しかし、受精卵が形成される際、何らかの理由で染色体がうまく分配されず、21番目の染色体が余分にコピーされてしまうことで生じるのが21トリソミーです。
これは偶発的な染色体分配ミスとして起こることが大半で、特定の生活習慣や行動で回避できるものではありません。
ダウン症の特徴について
ダウン症のお子さんは、知的発達に遅れを示したり、特有の顔立ちや体格的特徴を持つことが多いと言われています。
また、心臓疾患や甲状腺機能低下症など、合併症を伴う可能性があることも知られています。ただし、合併症や発達の度合いはあくまで個人差が大きく、一括りにはできません。
お子さん一人ひとりが異なる成長曲線を持ち、適切な医療的サポートや教育的支援を受けることで、豊かな生活を送ることが可能です。
ダウン症・21トリソミーのタイプ分類
ダウン症には、大きく3つのタイプが存在します。その中で最も多く見られるのが「トリソミー型(標準型)」で約94%を占めています。これは先に述べた通り21番染色体が余分に1本存在するものです。
- トリソミー型(標準型):約94% このタイプは21番目の染色体が全ての細胞で3本ある状態です。
- 転座型:約5% 転座型の場合、21番染色体が別の染色体に付着(転座)してしまいます。結果的には21番染色体の遺伝子情報が3セット存在するため、21トリソミーと同様の特性がみられます。ただし、家族性で起こることもあり、遺伝的な要因が関与することがあります。
- モザイク型:約1% モザイク型は、同じ体内で一部の細胞が21トリソミー、他の細胞は正常染色体数というように、異なる細胞集団が混在している状態です。
- モザイク型では、症状の程度がトリソミー型より軽くなる傾向がみられることもあります。
NIPT(新型出生前診断)で分かること
近年、妊娠中に受けられる出生前検査として「NIPT(新型出生前診断)」が注目を集めています。NIPTは妊婦さんの血液中に微量に存在する胎児由来DNAを解析することで、ダウン症(21トリソミー)をはじめとする染色体異常のリスクを調べる検査です。
非侵襲的検査と呼ばれ、妊婦さんやお腹の赤ちゃんにリスクがほぼないこと、そして高い精度でダウン症の可能性を判断できる点が特長です。
従来の出生前診断で用いられた絨毛検査や羊水検査は、精度は高いものの、わずかながら流産のリスクが伴っていました。
一方NIPTは母体血の採血のみで行われ、リスクをほとんど増やさずに精度の高いスクリーニングが可能です。