1p36欠失症候群 - 産まれる前の初めての健康診断

遺伝子疾患に関する記事

1p36欠失症候群

1p36欠失症候群とは?

1p36欠失症候群(いちぴーさんろくけっしつしょうこうぐん)は、遺伝子の一部が欠けてしまうことで起こる先天性の疾患です。

この名前は、”1番染色体の短腕(p)の36番目の領域”が欠失していることに由来しています。

この症候群は比較的稀な疾患で、出生1万人に約1人の割合で見られます。症状の現れ方には個人差がありますが、主に発達の遅れや身体的な特徴、行動面の特性などがみられることが特徴です。

どんな症状があるの?

1p36欠失症候群では、次のような症状がみられることがあります:

  • 発達の遅れ 言葉を話し始める時期が遅かったり、運動能力の発達がゆっくりだったりします。
  • 特徴的な身体的な特徴
    • 平らな顔立ち
    • 小さな顎(小顎症)
    • 開いた目の間隔(眼間開離) などの特徴が挙げられます。
  • 行動や学習の特性 注意力や集中力の困難、他人とのやりとりにおける特性が見られる場合があります。
  • 健康上の問題 心臓や腎臓の異常、聴覚障害、視覚障害などの身体的な合併症がみられることも。

もちろん、これらの症状はすべての方に現れるわけではなく、一人ひとり異なります。

なぜ起こるの?

1p36欠失症候群は、染色体の一部が失われることで起こります。

この欠失は、自然に起こることがほとんどで、家族性ではない場合が多いです。そのため、ご両親が何か特別な原因をもたらしたわけではありません。

ただし、稀に遺伝性のケースも報告されています。

この場合、家族内で同じ遺伝子の変化が見られることがあります。

どのように診断するの?

1p36欠失症候群は、染色体検査や遺伝子検査によって診断されます。

特に、NIPT(新型出生前診断)では、胎児の染色体異常を調べることができます。

これにより、1p36欠失症候群を妊娠中に確認することが可能です。

妊娠中の検査で異常が疑われた場合、確定診断のためには羊水検査などの追加検査が必要になることもあります。

NIPTでわかること

NIPTは、妊娠中に行う検査のひとつで、胎児の染色体異常を調べることができます。1p36欠失症候群はもちろん、ダウン症候群や他の染色体異常もスクリーニングできます。

私たちのクリニックでは、NIPTを通じて妊娠中の不安を少しでも軽減できるよう、わかりやすい説明と親身なサポートを心がけています。

銀座三越前クリニックでは、ママに寄り添える医療をモットーとしています。不安なことや気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。